はじめに
アメリカ不動産を売却した際、
売却代金の約15%超が 突然差し引かれて驚いたという方は非常に多いです。
これは
FIRPTA(外国人不動産投資税法)による源泉徴収です。
しかし、ここで重要なのは:
この金額は「最終的な税金」ではないという点です。
多くの場合、
払い過ぎた分は後から還付されます。
本記事では、
- FIRPTAで差し引かれたお金はどうなるのか
- いつ・どのように戻ってくるのか
- 還付を受けるために絶対に必要な手続き
について、実務ベースで解説します。
FIRPTAの本質:「税金」ではなく「前払い」
FIRPTAによる源泉徴収は、
あくまで「税金の前払い」
です。
つまり、
- 実際の税額より多く徴収されるケースが多い
- 正しい税額を計算すれば差額が返ってくる
という仕組みです。

還付までの流れ(実務ステップ)
FIRPTAで引かれたお金を取り戻すには、以下の手続きが必要です。
Step 1:確定申告を行う
売却した翌年に、アメリカで確定申告を行います。
- 個人 → Form 1040NR(アメリカ非居住者の個人の場合)
- 法人 → Form 1120-F(アメリカ国外の外国法人の場合)
Step 2:実際の税額を計算
売却益に基づいて、
本来支払うべき税額を計算します。
Step 3:差額が還付される
源泉徴収額 − 実際の税額
= 還付金
どれくらい戻ってくるのか(具体例)
例えば:
- 売却価格:$1,000,000
- FIRPTA源泉徴収:$150,000(15%)
- 実際の税額:$60,000
$90,000が還付される
このように、
数万ドル〜数十万ドル単位で返金されるケースも珍しくありません。
還付までのスケジュール(重要)
ここが最も誤解されやすいポイントです。
例:
- 売却:2026年
- 申告:2027年(翌年)
- 還付:さらに数ヶ月後
実際にお金が戻るまで1年以上かかる
よくあるミス(非常に重要)
以下のミスにより、還付が遅れたり、最悪受け取れないケースもあります。
ITIN(Individual Taxpayer Identification Number:個人用納税者番号)を取得していない
→ 申告自体ができない
確定申告をしていない
→ 還付は一切されない
書類不備・計算ミス
→ IRSからの問い合わせ → 大幅遅延

そもそも源泉徴収を減らす方法もある
ここまで読んで、
「そんなに時間がかかるなら、最初から減らせないのか?」
と思われた方も多いと思います。
実は可能です。
Withholding Certificate(源泉徴収減額申請)
を使うことで、
- 源泉徴収額を大幅に減らす
- もしくはゼロに近づける
ことができます。
詳しくはこちらの記事で解説しています:
「FIRPTAの源泉徴収を減らす方法(Withholding Certificate)」
重要なポイント:すべては「売却前」に決まる
FIRPTAに関して最も重要なのは、
売却後ではなく「売却前」に戦略を立てること
です。
- 還付を待つのか
- 事前に減額するのか
- 税額自体を最適化するのか
これらはすべて
売却前にしかコントロールできません。
まとめ
- FIRPTAは「税金」ではなく「前払い」
- 多くの場合、還付が発生する
- ただし、還付まで1年以上かかる
- 手続きを間違えると大きな損失になる
- 最も重要なのは「売却前の設計」
ご相談について
アメリカ不動産の売却においては、
- 税金
- FIRPTA
- 売却戦略
がすべて密接に関係しています。
特に日本在住の方や外国籍の方の場合、
適切な設計を行うかどうかで、手取り額が大きく変わります。
当社では、
- 売却前の税務戦略設計
- FIRPTA対策
- 売却サポート
を一貫してサポートしています。
「売却前戦略相談フォーム」から、お気軽にご相談ください。
(※秘密厳守にて対応いたします)



