【2026年版】日本居住者がアメリカ不動産を売却した場合の確定申告ガイド|申告が必要なケースと注意点

ハワイのコンドミニアムや、カリフォルニアの賃貸住宅など、アメリカ不動産を保有している日本居住者の方から、よくいただくご質問があります。

「アメリカで不動産を売却した場合、日本でも確定申告が必要ですか?」

結論から申し上げると、

日本の税務上の居住者である場合、アメリカ不動産を売却して利益が発生した場合は、日本でも原則として確定申告が必要です。

しかし、

  • アメリカで既に税金を支払っている
  • FIRPTAで源泉徴収されている
  • 日本へ送金していない

といった場合でも、日本での申告が必要になるケースがあります。

本記事では、日本居住者がアメリカ不動産を売却した場合の確定申告について、実務上のポイントを解説します。


■ 結論:日本居住者は原則として申告が必要

日本の税制では、

日本居住者は「全世界所得課税」

の対象です。

つまり、

  • 日本国内の所得
  • 海外(日本国外)の所得

の両方について申告義務が発生する可能性があります。

そのため、

アメリカ国内にある不動産を売却して利益が発生した場合、

その利益は原則として日本でも申告対象になります。


■ 全世界所得課税とは?

日本の居住者は、

日本国内で得た所得だけではなく、

海外(日本国外)で得た所得についても課税対象となります。

例えば、

  • ハワイのコンドミニアム
  • カリフォルニアのアパート
  • ニューヨークの投資用不動産

などを売却した場合、

アメリカで税金を支払ったとしても、日本での申告義務がなくなるわけではありません。


■ アメリカではどのような税金が発生するのか?

アメリカ不動産を売却した場合、一般的には以下の税金が発生します。

Capital Gain Tax(譲渡益税)

購入価格より高く売却した場合に発生します。


Depreciation Recapture Tax

賃貸不動産として減価償却を行っていた場合、過去の減価償却部分について課税される可能性があります。


State Tax(州税)

物件所在地によっては州税が発生します。

例えば、

  • カリフォルニア州
  • ハワイ州
  • ニューヨーク州

などです。


FIRPTA

日本居住者など米国非居住者が不動産を売却する場合、

売却価格の最大15%が源泉徴収される場合があります。

ただし、FIRPTAは最終税額ではなく、あくまで源泉徴収制度です。


■ 日本ではどのように申告するのか?

日本では、アメリカ不動産の売却益について譲渡所得として計算します。

一般的な考え方は以下の通りです。

譲渡所得 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用


取得費に含まれるもの

  • 購入価格
  • 購入時の諸費用
  • 資本的支出(一定のリフォーム費用等)

譲渡費用に含まれるもの

  • 仲介手数料
  • エスクロー費用
  • 売却に直接関連する費用

■ 為替レートの落とし穴

日本での申告では、

円換算

が必要になります。

ここで注意が必要なのは、

購入時と売却時で為替レートが異なることです。

例えば、

購入時
1ドル=80円

売却時
1ドル=150円

の場合、

ドルベースでは利益が小さく見えても、日本円ベースでは大きな譲渡所得が発生するケースがあります。


■ アメリカで税金を払っていても日本で申告が必要?

はい。

これは非常によくある誤解です。

アメリカで税金を支払ったからといって、日本での申告義務がなくなるわけではありません。

ただし、

二重課税を調整するための制度があります。


■ 外国税額控除とは?

日本には、

外国税額控除(Foreign Tax Credit)

という制度があります。

これは、

アメリカで支払った税金の一部または全部を、日本の税額計算上で調整する制度です。


イメージ

アメリカで税金を支払う

日本で確定申告

外国税額控除を適用

二重課税を軽減


ただし、控除額には上限や計算ルールがありますので、個別の検討が必要です。


■ FIRPTAを支払ったら申告は不要?

いいえ。

これもよくある誤解です。

FIRPTAは税金ではなく、

源泉徴収制度

です。

そのため、

FIRPTAで資金が差し引かれていても、

最終的なアメリカの税務申告と、日本での確定申告は別途必要になる場合があります。


■ 売却前に準備しておくべき書類

確定申告に備えて、以下の書類を保管しておくことをおすすめします。

購入時

  • Closing Statement
  • 売買契約書
  • エスクロー関連書類

売却時

  • Closing Statement
  • 売買契約書
  • エスクロー関連書類
  • FIRPTA関連書類

税務関連

  • 米国Tax Return
  • Depreciation Schedule
  • 修繕費・リフォーム費用の証憑

■ よくある失敗

① FIRPTAを払ったので申告不要だと思った

実際には日本での申告が必要な場合があります。


② 取得費資料を紛失した

取得費を証明できないと、税負担が増える可能性があります。


③ 外国税額控除を検討していなかった

結果として必要以上に税金を負担してしまうケースがあります。


④ 為替の影響を考慮していなかった

日本円ベースで想定外の所得が発生することがあります。


■ ケーススタディ

例えば、

購入価格:$300,000

売却価格:$900,000

のケースを考えてみます。

ドルベースでは利益は$600,000です。

しかし、

  • 為替レート
  • 減価償却
  • アメリカで支払った税金
  • 外国税額控除

によって、日本での最終的な税額は大きく変わります。

そのため、

「アメリカで税金を払ったから終わり」

ではなく、

日米両国の税務を考慮したシミュレーションが重要になります。


■ まとめ

日本居住者がアメリカ不動産を売却した場合、

原則として日本でも確定申告が必要になります。

特に、

  • FIRPTA
  • Capital Gain Tax
  • 州税
  • 外国税額控除
  • 為替の影響

を理解しておくことが重要です。

税金は売却後に考えるのではなく、

売却前にシミュレーションすることで、最終的な手残り額が大きく変わることがあります。


■ ご相談について

当社では、日本人・日本語話者アメリカ不動産オーナー向けに、

  • 売却前の税額シミュレーション
  • FIRPTA対策
  • 州税分析
  • 外国税額控除の検討
  • 日本帰国後の税務対応
  • 売却後の資産戦略

をサポートしています。

「アメリカ不動産を売却したら、日本ではどのような申告が必要になるのか?」

「最終的にいくら手元に残るのか?」

を事前に把握したい方は、お気軽にご相談ください。


※本記事は一般的な情報提供を目的としており、税務・法務に関する個別アドバイスではありません。具体的な判断については、CPA、税理士、弁護士等の専門家へご相談ください。

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