アメリカで不動産を保有している日本人オーナーの方は少なくありません。
特にカリフォルニアなどの主要都市では、1980年代から1990年代にかけて購入された不動産が、現在では購入価格の数倍になっているケースも珍しくありません。
そのため、長年不動産を保有されているオーナーの方から次のようなご相談を受けることがあります。
- アメリカ不動産を売却した場合、アメリカではどのような税金がかかるのか
- 売却時に源泉徴収される税金はどのくらいなのか
- 日本に住んでいる場合、日本でも税金がかかるのか
この記事では、日本人がアメリカ不動産を売却した場合の税務の基本構造について解説します。
アメリカ不動産を売却した場合の基本税制
アメリカで不動産を売却した場合、基本的には
Capital Gain Tax(キャピタルゲイン税)
が課税されます。
キャピタルゲインとは
売却価格 − 取得価格(購入価格+改良費など)
で計算される利益です。
主な税金としては次のものがあります。
- 連邦キャピタルゲイン税
- 州所得税(州によって異なる)
- 減価償却リキャプチャー(Depreciation Recapture)
カリフォルニア州などの場合、これらを合計するとケースによっては
30%〜40%程度
の税負担になることもあります。
FIRPTA(外国人不動産源泉税)
アメリカ国外に在住の人がアメリカ不動産を売却する場合、もう一つ重要な制度があります。
それが
FIRPTA(Foreign Investment in Real Property Tax Act)
です。
FIRPTAは、外国人がアメリカ不動産を売却する際に、税金の徴収漏れを防ぐために設けられた制度です。
通常、不動産売却時には
売却価格の15%
が源泉徴収されます(2026年現在)。
重要なポイントは、
この15%は税金そのものではなく、税金の前払い(withholding)という点です。
売却後に税務申告を行い、実際の税額が確定します。
FIRPTAの源泉徴収率(2026年現在)
2026年現在、一般的なFIRPTA源泉徴収率は自宅用不動産(主たる住居)の場合も投資用不動産の場合も
15%
が適用されるケースが多くなります。

州レベルの源泉徴収(State Withholding)
州によっては、連邦税とは別に州レベルの源泉徴収が発生する場合があります。
代表的な州の例は次の通りです。
| 州 | 源泉徴収率 | 計算の対象 | 備考 |
| カリフォルニア | 3.33% | 売却価格 | |
| ハワイ | 7.25% | 売却価格 | 名称は HARPTA(Hawaii Real Property Tax Act) |
| ニューヨーク | 約 8.82%〜 | 売却益 (Gain) | 「価格」ではなく「利益」に対してかかる。 |
例えばカリフォルニア州では、不動産売却時に
売却価格の3.33%
が州税の前払いとして源泉徴収されることがあります。
ハワイ州でも、不動産売却時に
売却価格の7.25%
が州税の前払いとして源泉徴収されることがあります。
またニューヨーク州では、非居住者が不動産を売却する場合、
予想される売却益(Gain)の約8.82%
の州税源泉が必要になるケースがあります。
例:$1,800,000の物件を売却する場合
例えば次のようなケースを考えます。
売却価格
$1,800,000
FIRPTA源泉
15%
$270,000
カリフォルニア州源泉
3.33%
約 $59,940
この場合、クロージング時に
約 $329,940
程度が源泉徴収される可能性があります。
ただし、この金額は
最終的な税額ではなく、税金の前払い
になります。

日本に居住している場合の税務
不動産の所有者が日本に居住している場合、日本の税制も関係する可能性があります。
一般的には、日本の居住者は
海外で発生した所得も課税対象
になる場合があります。
そのため、アメリカ不動産の売却益についても、日本の税制が関係する可能性があります。
ただし、日本の税務では
- 外国税額控除
- 為替
- 保有期間
- 個人の税務状況
などによって結果が大きく異なります。
具体的な税務の取扱いについては、日本の税理士などの専門家に確認することが重要です。
長期保有オーナーが検討する主な選択肢
長年アメリカ不動産を保有しているオーナーの方は、売却を検討する際に次のような選択肢を検討することがあります。
- 不動産を売却する
- 1031 Exchange(買い替え)を利用する
- 保有を継続する
- 相続を前提とした資産戦略を検討する
どの選択肢が適しているかは、
- 年齢
- 家族構成
- 税務状況
- 資産規模
などによって異なります。
アメリカ不動産オーナーの方へ
111 Capital Groupでは、アメリカで不動産を保有されている不動産オーナーの方に向けて、
- 不動産の概算評価
- 売却時の税務の一般的な考え方
- 不動産戦略の方向性
についての参考情報をご案内しています。
物件住所をお知らせいただければ、
- 現在の市場価値
- 売却時の一般的な税務の考え方
- 今後の資産戦略の方向性
について参考情報をご案内することも可能です。
関連記事
・FIRPTAの源泉徴収を減らす方法
・日本国籍の人がアメリカ不動産を30年保有すると税金はいくらになるのか



