なぜ最近、リファイナンスできないアメリカ不動産が増えているのか?
― 物件価格は上がったのに、なぜ銀行は貸してくれないのか? ―
カリフォルニアを中心に、長年アメリカ不動産を保有してきた日本人オーナーの方々から、最近このような相談が増えています。
「昔は問題なく借り換えできたのに、今回は断られた」
「物件価格は上がっているのに、なぜ銀行は貸してくれないのか?」
「Cash-out refinance をしたかったが、希望額まで借りられなかった」
実際、2025年〜2026年にかけて、アメリカでは「リファイナンスが難しくなっている物件」が増えています。
特に、カリフォルニアなどで長期保有されているアパートにおいては、
- 不動産価格は上昇している
- 含み益も大きい
- 長年問題なく運営してきた
にもかかわらず、
「銀行の融資条件を満たせない」
というケースが現実に増えています。
今回は、その背景をできるだけわかりやすく解説します。
「物件価格が高い」だけでは、銀行は貸してくれない
まず重要なのは、
銀行は、単純に「物件価格」だけを見て融資しているわけではない
という点です。
もちろん、担保価値は重要です。
しかし近年、銀行が以前より強く見ているのは、
「その物件が、安定してローン返済できるだけのキャッシュフローを生み出しているか」
です。
つまり、
- 家賃収入
- 固定資産税
- 保険
- 修繕費
- 管理費
- 空室率
- 金利負担
などを踏まえた、
“実際の収益力”
が非常に重視されています。
特に増えているのが「DSCR不足」
最近の融資審査で非常に重要なのが、
DSCR(Debt Service Coverage Ratio)
です。
これは、
「物件の収益が、ローン返済額の何倍あるか」
を示す指標です。
例えば、
- NOI(純収益):$120,000
- 年間ローン返済額:$100,000
の場合、
DSCR = NOI(純収益)/ 年間ローン返済額 = 120,000 / 100,000 = 1.20
となります。
一般的に、銀行は1.20〜1.30程度以上を求めることが多いですが、近年は金利上昇により、この基準を満たせない物件が増えています。

なぜ最近、DSCRが悪化しているのか?
① 金利上昇
最も大きい要因の一つです。
2020〜2021年頃は、非常に低金利でした。
しかし現在は、当時よりかなり高い金利水準になっています。
つまり、
同じ借入額でも、毎月の返済額が大きく増えている
のです。
② 保険料の上昇
カリフォルニアでは近年、保険料が大きく上昇しています。
特に、
- 古い建物
- 木造アパート
- 地震・火災リスク地域
では、以前よりかなり高い保険コストになるケースがあります。
③ 修繕費・工事費の増加
カリフォルニアでは、
- 労務費
- 建材費
- 配管工事
- 電気工事
- 保守費用
なども上昇しています。
築年数が古いアパートでは、
「思った以上にキャッシュが残らない」
ケースが増えています。
④ 家賃が市場より低い
これは、日本人オーナーに非常に多いケースです。
長年テナントを大切にしてきた結果、
- 家賃が市場よりかなり低い
- Rent Control の影響が大きい
- NOI(純収益)が伸びない
という状態になっていることがあります。
つまり、
「資産価値は高いが、銀行から見ると収益力が弱い」
という状況です。
「昔は借りられた」のに、なぜ今は難しいのか?
これは、
銀行側の考え方そのものが変わっている
からです。
低金利時代には、
- 不動産価格上昇
- 市場全体の楽観ムード
- 流動性の多さ
がありました。
しかし現在は、
- 金利上昇
- 銀行の融資基準厳格化
- 商業用不動産への慎重姿勢
- 地域銀行のリスク管理強化
などにより、
「本当に返済できる物件か?」
が以前より厳しく見られています。
では、どうすればよいのか?
重要なのは、
「売却しかない」と決めつけないこと
です。
物件の状況によっては、
- リファイナンス
- キャッシュアウト・リファイナンス
- ブリッジローン
- パートナー出資
- 一部売却
- 保有継続
- 修繕後リファイナンス
- 売却戦略の再設計
など、複数の選択肢が存在します。
大切なのは、
「今の物件が、どの状態にあるのか」
を客観的に整理することです。

まとめ
近年、
「物件価格は上がったのに、リファイナンスできない」
というケースは確実に増えています。
その背景には、
- 金利上昇
- DSCR悪化
- 保険料増加
- 修繕費増加
- 家賃の伸び悩み
- 銀行の審査厳格化
があります。
特に、カリフォルニアで長年不動産を保有してきた日本人オーナーにとっては、
「昔と同じ感覚」で借り換えを考えることが難しくなっている
場面も増えています。
しかし一方で、
「売るしかない」
とは限りません。
現在の状況を整理し、
- 借換え
- 保有
- 売却
- 資本再構築
を比較検討することが重要です。
売却・借換え・保有戦略のご相談について
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などを含めたご相談を承っております。
「今の物件がリファイナンス可能なのか知りたい」
「売却するべきか、持ち続けるべきか迷っている」
「銀行から厳しい条件を提示されている」
という方は、お気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法務・税務・投資助言を提供するものではありません。実際の判断は、各専門家へのご相談をおすすめします。



