アメリカで不動産を保有している方の中には、
「売却すると税金が高すぎる」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そのような場合に検討される代表的な手法が、
1031 Exchange(セクション1031交換)です。
これは、一定の条件を満たすことで、
不動産売却時の税金を“繰り延べ”できる制度です。
■ 1031 Exchangeの基本仕組み
1031 Exchangeとは、
投資用不動産を売却し
その資金で別の投資用不動産を購入することで
売却時のキャピタルゲイン税を繰り延べる
という制度です。
重要なのは「免除」ではなく、あくまで
税金の支払いを将来に先送りする制度
という点です。
■ 具体例(イメージ)
- 30年前に 100万ドル で購入した物件
- 現在 500万ドル で売却予定
- 利益:約400万ドル
(実際には物件売却のためのコストなどが発生するため、利益が必ず400万ドルになるわけではありませんが、この記事では簡略的に約400万ドルと記載しています。)
通常であれば、この約400万ドルの利益に対して課税されますが、
1031 Exchangeを使うと
この時点では課税されません
その代わり、
新しく購入した物件に“税金が引き継がれる”形になります。

■ 主な要件(非常に重要)
1031 Exchangeを成立させるためには、以下の条件があります:
① 投資用不動産であること
自宅(Primary Residence)は対象外です。
② Like-kind(同種資産)
基本的には
不動産 → 不動産
であれば買い替えが可能となります。
かなり広い概念です。
③ 45日ルール(Identification)
売却後45日以内に
次に購入する物件を指定
④ 180日ルール(Closing)
売却から180日以内に
購入を完了
⑤ Qualified Intermediary(QI)の利用
売却資金を自分で受け取ることはできません。
売却資金を自分で受け取ると1031 Exchange ができなくなってしまいます。
必ず第三者(QI)を通す必要があります。
■ メリット
- キャピタルゲイン税の繰延べ
- 複利的に資産を拡大できる
- 物件の入れ替えが可能
■ デメリット・注意点
- 税金は消えるわけではない(将来課税)
- タイムラインが非常に厳しい(45日 / 180日)
- 不適切な設計だと失敗リスクが高い

■ 日本在住者が注意すべきポイント(最重要)
ここが一番重要です。
1031 Exchange はアメリカの税法Section 1031(Section 1031 of the Internal Revenue Code)に基づく買い替えの特例であるため、通称で1031 Exchange と呼ばれています。
日本在住の方の場合:
この税法はアメリカ国内の税法であるため、日本などでは1031 Exchangeは認められていません。
つまり、
- アメリカ → 課税繰延べ
- 日本 → 課税される可能性あり
結果として:
二重課税に近い状態になるリスクがあるため、注意が必要です。
■ よくある誤解
以下によくある誤解をまとめてみます。
誤解①
「1031を使えば税金がゼロになる」
→
間違い(あくまで繰延べ)
誤解②
「誰でも簡単に使える」
→
かなり設計が重要
誤解③
「日本在住者でも同じメリットがある」
→
ケースによっては逆に不利
■ 結論
1031 Exchangeは強力な制度ですが、
誰にでも最適な戦略ではありません
特に日本在住者の場合は、
- 日本側課税
- 相続戦略
- リファイナンスとの比較
まで含めて判断する必要があります。
■ 本当に重要な視点
実務上は:
「1031を使うかどうか」ではなく
「売却・保有・リファイナンスの中で最適は何か」
という判断が重要です。
■ アメリカ不動産オーナーの方へ
「1031 Exchangeを使うべきかどうか」
「そもそも売却すべきかどうか」
これは物件・税務状況によって大きく異なります。
当社では、
- CPA(税務)
- モーゲージ(資金戦略)
- 不動産(売却・取得)
を統合した視点で、最適な戦略をご提案しています。
ご質問等がありましたらぜひご連絡ください。
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